夜気に触れた汗が体温を奪う。
七海に乞われるままに、隣の部屋からうるさいと苦情が来るまで演武をして見せた。それがいけなかった。目が冴えて眠れない詩亞は、身体の火照りを冷ますために外に出た。
ゆっくりと柔軟体操をして身体をほぐし終え、シャワーでも浴びようかと思いながら裏口へと向かう。
幹久の部屋の前を通ったのは偶然だった。
最初は猫の声かと思った。だが、館では犬は飼っているが猫はいない。それに、その音は幹久の部屋から聞こえた。
窓に耳を近づける。低く、くぐもった女の声がした。
カーテンの隙間を捜し、おそるおそる部屋の中を覗く。
夕月の白い肌が幹久の胸の下に組みしかれ、艶かしく蠢いていた。
心臓が強く鳴った。