その夜、詩亞は夕月に呼び出された。
こっそり裏口から戻ったとは言え、無断外出がばれない方がおかしい。その事で罰を受けるのだと思った。
「一晩、幹久様のお世話を頼みます」
来るべき時が来た。蜘の巣に捕まった無力な昆虫のように、自分はこの館にからめ取られている。
逃げる事など出来ない。