ぬきあしさしあし。
つめをひっこめてほこりひとつたてないでゆるゆるとしのびあし。
えものはきづいてない。
かざしもからゆっくりとねらいをつける。
こうげきれんじまであとさんぽ。
にほ。
えものがびくっと
やばいきづかれたにがすないますぐとびかかれ
「いた、あ、こら」
まてこらかくごしる
「いたたた、このくそちび、爪立てるなやーっ!」
ぺいっ。
はたかれた。
まま?
えものはどこいったの?
つかまえてままによろこんでもらおうとおもったのに。
「仲がよろしくていらっしゃいますね、お嬢様」
あ、いた!
こんどはにがさない!
「ん…っていうか狩りの練習…のつもり…なんだけど」
「最初に比べれば随分、元気になられましたね、この子…お名前はなんておっしゃいましたかしら?」
がるるるる。
うがあっ。
まてやあっ。
「…好きに呼んでいいわよ。名前はつけてないから」
「お気持わかります。悩みますよね。この名前はどうだろう、あの名前も似合うかも知れない。そうやって悩む時間も楽しいものです」
「んー…そうじゃなくて」
つかまえた!
かくごしるー!
がぶーがぶー。
「情が移ると後が辛いからさ…」
「……………」
「あ、いや、捨てようとかそういうわけじゃないのよ。ただね、ずっとこんなところに閉じ込めっぱなしで外にも出してやれない、それじゃあんまりじゃないかって思うのよ」
てきちんもく。
もくひょうをげきはしました!
ほらほらままままま、みてみてー!
「この子はお嬢様の事をとても慕っておられますよ」
「うん。それはね。それはそう。そもそも猫は愛玩動物だから、可愛いがられるための生き物だから。野生が自然だとかそういう寝惚けた話を言うつもりは無いわ」
ままのゆびがのどをくすぐる。
きもちいい。
「結果はどっちでもいいのよ。ただね、こいつ自身に選ばせたいの。あの日あの場所で土砂降りの雨の中で、誰も通らないような薄暗い通りで、こいつは生きたい生きたいって全力で鳴いてたわ。だから立ち止まっちゃった私は、こいつを1人前に、自分1人で生きていけるまで育ててやるのは…ああ、なんて言うのかな。約束なのよ」
ぐるるるるるる。
「たいへんお嬢様らしいお言葉ですわね」
「そっか」
「よいと思いますよ、私は」
「…ん、ありがとう」
ぐるるるるる。
まま、だいすき。